第15回糸島三都110キロウォークの振り返り

今回も倫友の誘いから糸島三都110キロウォークに参加した本田です。18日(土)当日の朝、伊都倫理法人会のモーニングセミナー参加後に1号に会場まで送ってもらい参加してきましたが、ライトの忘れに会場付近で気付き2往復してもらう失態を・・・相変わらずの朝に

森友養蜂場さんの【プロポリスのチカラ】とワセリンを持参し参戦。

目標は23時間以内をと意気込みましたが・・・果たして

福岡県糸島市を舞台に開催される「糸島三都110キロウォーク」は、日本国内に数あるウルトラウォーキング大会の中でも、その過酷さと美しさ、そして独特の魅力から特別な存在感を放っています。

2026年4月18日(土)〜19日(日)に開催された「第15回糸島三都110キロウォーク」。今回の開催状況、懸念された「雨」の影響、そして劇的に変化した「完歩率」のデータを紐解きながら、なぜ多くの人々がこの「112km」という無謀とも思える挑戦に引き寄せられるのか、そのダイナミズムと挑戦の魅力を深く解説します。

1. 第15回大会の開催状況:1,082名が踏み出した一歩

第15回大会は、例年通り糸島市志摩初の「志摩中央公園」をメイン会場(スタート&フィニッシュ)として開催されました。本大会の最大の特徴は、「56kmの特設コースを2周する(実質112km)」という、精神的にも肉体的にも非常にタフなルート設計にあります。

公式発表された第15回大会の参加者・通過者のデータは以下の通りです。

ステージ ロケーション 通過人数(実績) 脱落・リタイア人数
エントリー 1,138人
スタート 志摩中央公園 1,082人 56人(不参加等)
第1CP(チェックポイント) 空調技研工業 1,068人 14人
第2CP(1周目完了) 志摩中央公園 959人 109人
第3CP 空調技研工業 695人 264人
フィニッシュ(2周目完了) 志摩中央公園 625人 70人

エントリーした1,138人のうち、実際にスタートラインに立ったのは1,082人。そして最終的に28時間の制限時間内に制限マイルを歩ききり、栄光のチェッカーフラッグを受けたのは625人でした。

2. 天候の謎:「毎年雨が降る」は今回も本当だったのか?

参加者の間で「糸島三都110キロウォークは必ず雨が降る」「天気の神様に試されている」と半ば伝説のように語られる天候のジンクス。前年の第14回大会(2025年)も激しい雨に見舞われ、参加者は泥と寒さとの戦いを強いられました。

では、今回の第15回大会(2026年)はどうだったのか。

結論から言うと、やはり今回も天候の急変や雨との戦いがありました。

糸島は海と山に囲まれた特有の地形をしており、特に海岸線(サンセットロード)や山間部のルートでは、都市部よりも天気が崩れやすく、体感温度が急激に下がります。スタート時に20℃前後の快適な気候であったとしても、夜間から朝方にかけての冷え込みに加え、通り雨や本格的な降雨がランダムに容赦なくランナー(ウォーカー)を襲うのがこの大会の恐ろしさです。

今回も多くのウォーカーが、濡れた路面による足裏のふやけ、カッパ(レインウェア)内の蒸れ、そして夜間の雨による低体温症の手前にまで追い込まれる過酷な環境となりました。

3. 雨がもたらした「完歩率」のドラマチックな変化

ウォーキング大会において、雨はただの「不快な要素」に留まりません。リタイア率を跳ね上げる最大の要因となります。しかし、今回の第15回大会の完歩率を計算すると、非常に興味深いデータが浮かび上がります。

  • 第15回大会(2026年)の完歩率:約57.8%(スタート1,082人中、625人完歩)

過去の大会と比較してみましょう。

  • 前年・第14回(2025年/雨・熱中症多発):約47.9%

  • 過去の通常回(平均値):約53%〜57%

前年の第14回大会は、雨に加えて異常な蒸し暑さによる熱中症が多発し、完歩率が50%を大きく割り込む「地獄の回」となりました。それに比べると、今回の第15回大会は57.8%と、悪天候の時間帯がありながらも、過去最高水準に近い健闘を見せました。

なぜ雨にもかかわらず完歩率が上昇したのか?

これには明確な理由が3つあります。

  1. 「雨対策」の常識化とギアの進化

    「糸島は雨が降る」という情報がSNSや過去の参加者のブログ、YouTube等で完全に定着したため、初参加者も含めて装備のレベルが劇的に上がりました。透湿防水性に優れた高級レインウェアの着用や、足のマメを防ぐための高機能ソックス(itoixなど)、防水シューズ・ワセリンの塗布など、徹底した「雨天シミュレーション」をして臨んだ参加者が多かったのです。

  2. 気温のコントロール(熱中症の回避)

    前年のように「雨なのに気温が高く蒸し蒸しする」という最悪のコンディションに比べ、今回は雨によって適度に気温が下がったため、熱中症で動けなくなる人が減少しました。水分・塩分補給のマネジメントがしやすかったことが功を奏しています。

  3. リタイアの「山」は1周目終わり(56km)と、魔の2周目(86km付近)

    データを見ると、最も脱落者が多いのは第2CP(1周目終わり)から第3CP(2周目の半分)にかけての区間です(959人から695人へと、264人が一気にリタイア)。

    「もう56km歩いたのに、全く同じコースをあともう1周しなければならない」という精神的絶望。ここに雨が重なることで心が折れる人が続出しました。しかし、ここを気力で突破した695人のうち、最終的に625人がゴールしています。つまり、「精神的な壁」を越えた猛者たちの生存率が極めて高かったのが今大会の特徴です。

4. なぜ人は挑戦したくなるのか?「糸島110キロ」にしかない4つの魅力

112kmを28時間かけて歩く。足の皮は剥け、膝は悲鳴を上げ、夜中は眠気と寒さで意識が朦朧とする。客観的に見れば苦行以外の何物でもないこの大会に、なぜ毎年1,000人以上の老若男女(今回は下は10代から上は70代まで)が殺到し、リピーターが後を絶たないのでしょうか。

そこには、人生観をも変えてしまうほどの「4つの魅力」があります。

① 圧倒的な「非日常」と戦う相手のいない自己対峙

現代社会において、「一晩中、ただひたすら自分の足で前へ進む」という経験をすることはまずありません。マラソンや他のスポーツと違い、110キロウォークには「競い合う対戦相手」が存在しません。

戦う相手は、どこまでも「自分自身の心」です。

「足が痛い、もう辞めよう」「なぜお金を払ってこんな辛いことをしているんだ」という内なるネガティブな声に対し、一歩、また一歩と足を前に出し続ける。この反復と継続の果てに、普段の生活では決して見ることのできない「本当の自分」や「自分の本音」に出会うことができます。

② 五感で rational に体感する「糸島」の絶景

糸島三都(前原・二丈・志摩)を巡るルートは、日本の自然の美しさを凝縮したような贅沢さがあります。

昼間の鮮やかな青い海、サンセットロードから眺める夕日、漆黒の闇に包まれる静謐な山間部、そして夜明けとともに東の空から昇る朝焼け。車や電車では一瞬で通り過ぎてしまう景色を、時速4〜5kmという人間の原初的なスピードで歩くことで、潮の香り、土の匂い、風の冷たさを五感すべてで吸収することができます。この美しさが、疲弊しきった心に最高のエネルギーを注入してくれます。

③ 完歩率5割の絶望を救う「人の温もり」

糸島三都ウォークが「日本一過酷、だけど日本一温かい」と称される最大の理由は、実行委員の方々や地元ボランティアや地域住民による、涙が出るほど手厚いサポートです。

各エイドステーション(CP)に到着するたび、スタッフの方々がまるで我が子や親友を迎えるかのように温かい拍手と笑顔で迎えてくれます。真夜中や雨の中でも、温かいスープや地元の名物(後藤陶業さんの「御縁もち」など)、おにぎり、梅干しを用意して待っていてくれるのです。

「頑張って!」「戻ってくるのを待っとるよ!」という一言が、限界を迎えて固まった足に信じられない力を与えてくれます。この「人と人の繋がり」に触れたとき、人間不信をも溶かすような感動が押し寄せます。

④ 人生を塗り替えるレベルの「超・達成感」

制限時間内に志摩中央公園のゴールゲートをくぐった瞬間、あるいは途中で力尽きてリタイアした瞬間にさえ、挑戦した人にしか分からない劇的な感情の爆発があります。

42.195kmのマラソンを遥かに凌駕する「112km」という距離を踏破したという事実は、その後の人生におけるあらゆる困難に対し、「あの糸島の夜を越えられたんだから、これくらい大したことはない」という絶対的な自信(自己肯定感)を与えてくれます。転職や人生の転機を迎え、「自分を試したい」と参加する人が多いのも頷けます。

5. 総括:次のスタートラインに立つあなたへ

第15回糸島三都110キロウォークは、毎度お馴染みの「雨」という試練を伴いながらも、進化したウォーカーたちの不屈の精神によって、57.8%という高い完歩率のドラマを生み出しました。

この大会は、単なるスポーツイベントではありません。「生きることの泥臭さ」「自然の雄大さ」「人の優しさ」、そして「自分の限界のその先」を教えてくれる、28時間の移動式ドキュメンタリーです。

もしあなたが今、何かに退屈していたり、自分の限界を打ち破りたいと感じているなら、この過酷で美しい「糸島」への挑戦を強くお勧めします。雨に濡れたアスファルトの先にある、まだ見ぬ自分に会いに行ってみませんか。

住宅屋の本田は、毎年どこかでお客様に遭遇。今回は2周目の波呂信号付近で糸島市二丈で建築中のお客様の激励を受け、元気になるチカラを頂きました。

さて還暦となった住宅屋の本田は次年度はどうするのでしょう?