住まい造りは【夏をむねにすべし】の季節にいきなりなりましたね~
2025年5月21日
最終更新日時 :
2025年5月20日
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吉田兼好『徒然草』第55段に出てくる有名な一文ですね。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。」
つまり「住まいは、夏に快適であることを第一に考えて設計すべきだ」という思想です。
鎌倉時代の日本の住環境や気候を反映した、気候適応型の住まい哲学とも言えます。
■ 解釈と背景
● なぜ「夏」が基準なのか?
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高温多湿な日本の夏は過ごしにくい。冬は衣服や火でしのげても、夏の暑さは住まいの工夫でしか逃れられない。
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昔の日本家屋は断熱性が低く、冬の寒さよりも、夏の風通し・涼しさが生活の質に直結していた。
■ 徒然草の本文(要約)
原文ではこう続きます:
冬は、いかなる所にも住まる。暑きころわろき住居は、堪へがたき事なり。
つまり「冬はどんなところでも住めるが、暑い季節に悪い家に住むのは耐えがたい」という考え。
■ 現代への応用:「夏を旨にすべし」の住宅設計
1. 風通しの確保
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向きの良い窓配置(南北に開口をとる)
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吹き抜けや通風経路の確保
2. 庇(ひさし)・縁側の活用
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日射遮蔽をして、夏の直射日光を室内に入れない
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冬の低い日差しは取り込む
3. 断熱と遮熱のバランス
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外気の熱を遮りつつ、風の流れを妨げない工夫
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断熱材とともに、外付けブラインドや遮熱フィルムも有効
4. 自然素材の利用
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畳、障子、木材などは、湿度調整機能や肌触りが優れている
■ 夏を旨にしつつ、冬にも強くするには?
現代の技術ならば、「夏を旨に」した上で「冬も快適」な家を作ることが可能です。たとえば:
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高気密高断熱住宅:冷房も暖房も効率よく効く
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パッシブデザイン:自然エネルギー(太陽・風)を活用
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床下エアコン・全館空調の併用も選択肢
■ まとめ
吉田兼好の「夏を旨にすべし」は、
今も通用する「日本の気候に合った住まいの原則」です。
単なる古文の名文ではなく、
現代の住まいづくりやリノベーションにも取り入れる価値のある、
気候知と合理性の結晶です。
我が家も西側の大きな開口窓を再度検討しますかね・・・
まだ5月なのに堪えがたき暑さではありませんか!
賢く補助金を頂きながらのリフォームは良いかもしれませんね